トヨタ博物館 年報2025
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4トヨタ博物館富士モータースポーツミュージアム期間 : 2025年3月1日(土)~2025年8月3日(日) 場所 : 文化館2階 企画展示室、1階 エントランス 日本の乗用車で最長寿の車名であるクラウンが2025年で70周年を迎える。初代クラウンはいち自動車メーカーのクルマというだけではなく、戦時中の技術的空白を埋めた純国産の乗用車開発のさきがけとなったクルマであり、その後の日本車の伝統となった高い信頼性や、海外輸出にチャレンジするなど、その後の日本の自動車メーカーのあり方に影響を与えたクルマと言える。 一方で、16代を重ねた歴代クラウンは必ずしも全ての代で販売が好調だったわけではないが、そこには必ず時代の変化に対してクラウンを変革させることに挑戦した歴史があり、挑戦し続けたからこそ70年間「生き続けている」と言える。また、クラウンは初代は輸出されたものの、その後現行の16代目が再輸出されるまで国内専用車だったため、当館の来館者の半数を占める海外の方には馴染みの無いクルマであり、クルマ本体だけではなく日本のクルマを取り巻く社会の変化から伝える必要があると考えた。 以上から、本企画展ではクラウンの70周年を振り返ることを通じて、日本の自動車産業を取り巻く社会がどのように変化し、クルマづくりにどのように影響を与え、結果としてどういったクルマが出来上がったのかを伝える展示ストーリーとした。 クラウンは初代から最高級車として開発されたわけではなく、時代によってその立ち位置が変わってきた歴史がある。そこで歴代クラウンを「創業期」:初代~4代目、「成熟期」:5代目~8代目、「変革期」:9代目~16代目の3つに分けて、時代の変化を大まかに把握できる構成とした。 「創業期」においては、日本の暮らしに合うクルマづくりのため、開発組織や乗用車工場の立ち上げなどを行った初代から、所得向上とモータリゼーションによって高級車としての立ち位置を見つけた2代目と3代目、自動車輸入の自由化に対抗するために輸入車と伍するクルマづくりをした4代目までの過程を伝える。 「成熟期」においては、世界中の自動車メーカーが対応に苦慮した排出ガス規制を乗り越えるための技術をいち早く取り入れた5代目や、好景気と電子技術の発展を背景に新技術をいち早く取り入れることで商品性を向上させ、高級車として成熟期を迎えた6~8代目までを伝える。 「変革期」においては、バブル景気崩壊による国内の購買力の低下、レクサスなどあらたな高級車ブランドの誕生によるクラウンの位置づけの変化、嗜好の多様化によるセダン市場の縮小、長寿ブランドゆえのクラウンユーザーの高齢化など、高級セダンであるクラウンにとって次々と訪れる試練に9~15代目のクラウンがどういった考え方でどう対応していったかを伝える。 「エピローグ」においては、多様化するライフスタイルや嗜好にあわせて、車形や駆動方式など大きな変革を行った一方で、クラウンの伝統である静粛性、快適性、上質さを織り込んだ16代目クラウンを取り上げ、変化することとブランドを形作る守るべきものを持ったことが、本企画展の副題である「なぜ70年生き続けているのか」の答えとした。 クラウンは16代のそれぞれにストーリーがあり、全ての代を展示することにこだわった。また各世代のクラウンの車形はそれぞれの世代の解説で伝えたいことを表現するものを選ぶ必要があり、初代は輸出の挑戦を表す北米輸出仕様車、3代目は谷中 耕平、軽部 真一(学芸・企画1グループ)(1) 展示ストーリーの構成(2) 展示車両Ⅰ:「クルマ文化に触れる場づくり」ー展示活動 11企画の狙いと背景2展示ストーリーと空間づくり企画展「クラウン70周年記念展     ~なぜ70年生き続けているのか~」

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