トヨタ博物館富士モータースポーツミュージアム開催日:2025年3月15日(土)、16日(日) 場所:奈良市 薬師寺 欧米では架装業者があつらえたボディを持つクルマを芸術品として評価するコンコルソ・デレガンツァ(イタリア語。英語ではコンクール・デレガンス)が1920年代から開催されており、イタリアのリゾート地であるコモ湖や、アメリカのリゾート地であるペブルビーチ等、世界に知られた歴史的、文化的価値を持つ観光地で今なお開催されている。また、コンコルソ・デレガンツァは車両出展者や招待客だけでなく一般見学者も参加可能であり、賞も車両の美しさだけではなく、様々な切り口の賞が設定されるなど、欧米のクルマ文化の奥深さを感じさせる内容である。 一方日本でもこうした欧米のクルマ文化の一つであるコンクールを開催すべく、東京日本橋や京都二条城で開催されてきたが、今回、奈良薬師寺でコンコルソ・デレガンツァが初めて開催され、コンクールの審査基準や参加者との情報交換を目的としてトヨタ博物館として初めて出展した。 出展車両については、他の出展車両のレベル(高級スポーツカー、欧州のカロッツェリアデザイン車両)に相応しい車両であり、主催者から自動車メーカーならではの車両を出展してほしいというリクエストもあり、1967年公開の「007は二度死ぬ」に登場したトヨタ2000GTボンドカーと、世界に2台しかない試作車であるレクサスLFAスパイダーの2台を出展した。 薬師寺の写経道場付近で展示し、FIVA (Fédération Internationale des Véhicules Anciens 国際クラシックカー連盟)のメンバーによって審査を受けた他、夕方からは薬師寺金堂付近での夜間展示も行った。(当初大講堂付近でのディナーパーティーでの走行披露も行う予定であったが、雨天のためオープンカーである上記2台は走行できなかった。) FIVAによる審査は、車両の美しさ(塗装やチリの状態、ホースやハーネスの状態)、車両のオリジナリティ(純正状態の維持。仕様だけでなく、同じ時代の部品を使っているか、付属工具やマニュアルの維持)、車両の特長(デザイナー、希少度、歴史的価値)、ヒストリー(コンクール履歴、オーナーの熱意)などを考慮し、総合的に判断されていた。結果としてトヨタ2000GTボンドカーはその特長とヒストリーからパートナー賞をいただくことができた。 イベント運営としては、夜間のライトアップや朝日のもとでの展示、薬師寺の歴史的建造物の前で展示するなど、写真映えし、参加者や来場者にもう一度来たいと思わせる工夫がされていたほか、薬師寺という場所柄、法主の講話や能の披露など日本文化とコラボレーションした日本ならではのコンクールとなるよう工夫がされていた。56谷中 耕平(学芸・企画1グループ長)Ⅱ:「クルマ文化に触れる場づくり」ー館外イベント出展 5写真1 昼間の展示写真2 夜間の展示写真3 表彰式の様子1出展の狙い2出展内容3得られた知見と所感館外イベント出展:コンコルソ・デレガンツァ
元のページ ../index.html#60