トヨタ博物館富士モータースポーツミュージアム一方、ピッチャーをより目立させることで登場時の盛り上がりを演出するリリーフカーをデザインした。またスパイクを履いても安全に乗り降りできるよう、床面は人工芝を敷いた。他にも細かい部分までこだわり、タイヤのホイールは野球ボールにし、縫い目の位置・数にも配慮した。他にもトラ模様のカラーリング、シートの後ろには阪神タイガースのマークをあつらえた。 また、デザイナーの考えを実際の形に落とし込むモデラ―の話も聞いてみたく、デザイン統括部の渡部さん、野尻さんにお話を伺った。デザイナーから求められているものを作ることはもちろんだが、さらに自分なりの工夫を加えることで、渡したときに依頼者を笑顔にできると嬉しい、というモデラ―の気概に感銘を受けた。C 「つくった人に聞きました!」 東京2020リリーフカーのグローブ部分や床部分等を製作した開発試作部の新井さん、佐野さんにお話を伺った。普段の仕事は設計図を元に製作を行うが、リリーフカーはデザイナーの要望を直接聞きながら進めるという難しさがあったという。パネルは時系列で章立てし、①こんなクルマをどうやってつくるの!? ②選手の気持ちになって考える ③まずはかたちにしてみよう! ④とことんこだわる ⑤「おもしろそう!」と輪が広がる ⑥ふりかえって とした。 これらのパネルには前述のとおり、小学5年生でも分かる表現に配慮して作ったが、その理由として、子供たちに“クルマをつくる”という仕事の紹介もしたく、開発・製作スタッフがどのような気持ちで仕事に取り組んでいるのかが伝わる内容を心掛けた。タイトルに「大変だけど楽しかった」というのはどんな仕事にも共通することだが、最後にある「待っているだけでは楽しさはやってこないものです。自分たちのペースで楽しい環境を作り出していくこと自体が楽しかったのかもしれません」というのは、ものづくりに限らず、仕事全般に通じる姿勢を表しており、仕事の本質を示しているように感じられた。③永津氏製作によるリリーフカー模型展示 阪神タイガースリリーフカーと東京五輪リリーフカーをデザインしたデザイナーが製作した模型を展示。展示ケースのタイトルを「デザイナー永津直樹さんは“ミニカー”も作っちゃうんです♪」とし、自身が担当した車両を市販のミニカーをベースに精巧に再現した。作品は乗車している選手たちのユニフォームや足元までこだわりが見られた。 これらの模型展示により、市販車とは違う車両開発の背景、実際の使用環境で求められる工夫やデザインに込められた思いを、お客様に伝えることができた。 みなさんに協力していただき仕上げたパネルを、より多くのお客様に見ていただけるように設置場所を工夫した。あくまで主役はリリーフカーのため、パネルが車両の後方になることは避けられないが、見学者の動線にかかるような位置を検討した。 当初、<C「つくった人に聞きました!」>のパネルはリリーフカーの乗車体験で並ぶお客様が列で待つ間に読んでいただけるよう、その列の中に設置していた。しかしお客様の様子を観察したところ、乗車体験の希望者の意識はこれから乗るリリーフカーにしか向かないことが分かり、<B「デザインした人に聞きました!」>パネルの斜め横に位置を変更した。 それにより、Bのパネルに興味を持った方がそのままCに移動する動線となったため、位置を変更して正解だった。また、<導入パネル「リリーフカーってなんだ!?」>もお客様の動線を意識し、乗車体験の入口付近に設置した。32(3) 展示レイアウト写真6 インタビューパネル C写真7 模型展示
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