トヨタ博物館 年報2025
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トヨタ博物館富士モータースポーツミュージアム期間:2025年4月~ 2026年3月 こうした取材対応とSNSによる情報発信の両面から、これまで以上にトヨタ博物館が自動車の歴史や文化を多角的に伝える場として認識されていることが確認できた。特に取材では、トヨタ博物館が「車を展示している場所」にとどまらず、日本および世界の自動車史を俯瞰し、背景や文脈を整理して伝える拠点として期待されていることがうかがえる。 即時的な話題性もさることながら、事実関係に基づいた説明や慎重な言い回しも求められる場面が多く、当館が信頼できる情報源として位置づけられていることがわかった。 開館から36年にわたり積み重ねられてきた知識や経験は、一朝一夕に築かれたものではなく、これまで携わってきた先人たちの地道な取り組みに支えられている。加えて、近年高まる多様な取材ニーズに応えるため、現在も常に知見を深めながら対応している学芸スタッフの存在は不可欠であり、この場を借りてあらためて感謝の意をあらわしたい。 SNSでは、来館者に近い距離感で情報を届ける役割を担っている。 広報活動は、積極的な情報発信によって取材の機会を創出するとともに、定期的なSNSを通じて来館者との継続的な接点を保つ取り組みとなった。今後も、展示・調査研究をその基盤としながら、トヨタ博物館がトヨタ自動車のヘリテージ活動を担う機関として、クルマ文化の歴史的価値や背景を記録・継承し、その意義を社会と共有していくことが重要である。 トヨタ博物館では、来館者に対する質の高いサービス提供を維持するとともに、館員が安心して業務に従事できる環境を整えることを重要な運営課題と捉え、2025年度よりカスタマーハラスメント(以下、カスハラ)対応の取り組みを段階的に進めてきた。近年、社会全体でカスハラが問題視される中、博物館という公共性の高い施設においても、来館者対応の在り方を改めて見直す必要性が高まっている。 2025年3月には外部のカスハラセミナーに参加し、社会的背景や法的観点、企業に求められる基本的な対応姿勢について理解を深めた。カスハラが従業員の心身の負担や職場環境に大きな影響を与えるだけでなく、他の来館者にも不快な思いを抱かせる悪質な行為であることを再認識するとともに、組織として適切に向き合う重要性を共有した。これを契機に、4月以降は部内での推進を開始し、カスハラを個人の対応力に委ねる問題ではなく、組織全体で取り組むべき課題として共通認識の醸成を図った。日常業務の中で想定されるリスクや課題を洗い出し、相談・報告しやすい雰囲気づくりを意識した取り組みを進めた。 5~6月には、トヨタ博物館の業務内容や来館者特性を踏まえた対応マニュアルおよび事例集を作成した。来館者からの要望や苦情のうち、正当なクレームとカスハラをどのように整理し、判断していくかを明確にすることを重視し、現場で迷いが生じやすい場面を具体的に想定した内容とした。対応フローや判断の考え方を整理することで、対応のばらつきを抑え、館員が落ち着いて行動できる基盤づくりを進めた。特にカスハラ事案において最初にその場面に遭遇することが多いキャスト(案内スタッフ)が、一人で何とか対応しようとするのではなく、速やかに上位者や警備スタッフを巻き込むことを最も重要なポイントとした。103眞子 智彦(学芸・企画2グループ)Ⅶ:館運営活動 65広報活動を通じて見られる当館に求められているもの6おわりに1はじめにトヨタ博物館における カスタマーハラスメント対応の年間活動報告

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