トヨタ博物館 年報2025
105/158

トヨタ博物館富士モータースポーツミュージアム■企画展  ■イベント  ■文化・歴史関連■館紹介  ■その他期間:2025年4月1日(火)~ 2026年3月31日(火) 本デジタルサイネージ広告は、当館として初めて愛知県外で実施した交通広告であり、主要ターミナル駅という高い接触機会を有する場を活用することで、企画展およびトヨタ博物館の存在を広域に発信する取り組みとなった。15秒の動画形式による掲出により、通行者の視線が限られる環境下においても、展示車両や企画展のイメージを印象づけ、来館検討のきっかけを創出する広報施策として一定の成果を上げたと評価できる。 一方で、交通広告は掲出費用が比較的高額であることから、掲出場所や放映時間に一定の制約が生じ、短時間での訴求を前提とした構成とならざるを得ない。その中で、館名認知の定着には改善の余地が残った。また、認知向上への効果は一定程度見込まれるものの、それが来館行動にどの程度結びついているかを定量的に把握することは容易ではなく、施策効果の評価手法についても検討の余地がある。 今後は、本施策で得られた知見を踏まえ、交通広告による広範な認知形成と他の広報活動による継続的な情報発信を組み合わせ、広報施策全体の中での交通広告の位置づけを整理しながら、より効果的な情報発信に取り組んでいきたい。 トヨタ博物館では、企画展や主催イベントの実施にあわせ、館の活動や自動車文化の価値を社会に伝えることを目的として、日常的に広報活動を行っている。2025年度は、新聞・雑誌・ウェブ・テレビなど多様なメディアからの取材対応に加え、SNSを通じた継続的な情報発信を行い、館の取り組みや展示の背景を幅広い層に届けられるようにしている。 本稿では、2025年度に実施した広報活動について、取材対応とSNSによる情報発信の両面からまとめる。 従来の取材では、企画展や常設展示の見どころを分かりやすく伝えることが主眼となってきた。新聞や雑誌では文章と写真を用いた構成が多く、テレビやウェブでは映像表現による訴求が中心であった。こうした取材は、来館のきっかけをつくるうえで重要な役割を果たしており、現在においても博物館活動の入口として欠かせない要素である。 一方で2025年からは、展示を「見て理解する」ことに加えて、なぜそのクルマがその時代に生まれたのか、どのような社会的背景や技術的課題が存在していたのか、さらには当時の人々にどのように受け止められていたのかといった点について、より踏み込んだ説明を求められる機会が増えている。 この傾向は国内に限らず、海外メディアからの取材にも共通して見られ、クルマを歴史や文化の中で位置付ける視点への関心が高まっていることを示している。社外からの取材依頼件数は50件(昨年:33件)。そのうち海外からは7件(昨年:2件)でいずれも増加傾向にある。(P108の取材記録参照)101西村 美智子(学芸・企画2グループ)(1) 取材について(2) 展示を「見る」ことから、背景を「理解する」ことへ27%23%図1 取材分野別の割合グラフ1. 取材分野別の割合2%19%29%Ⅶ:館運営活動 55おわりに1はじめに2取材対応の状況広報活動の取り組み -取材動向から見るトヨタ博物館に今求められているもの-

元のページ  ../index.html#105

このブックを見る